焼戻し脆性(読み)やきもどしぜいせい(その他表記)temper brittleness (shortness)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「焼戻し脆性」の意味・わかりやすい解説

焼戻し脆性
やきもどしぜいせい
temper brittleness (shortness)

一定の温度である程度以上の時間保持したのちに現れる金属材料の脆性。炭素鋼では 300℃前後に低温焼戻し脆性,500℃前後に一次焼戻し脆性,それより高い温度での焼戻し後の徐冷で生じる二次焼戻し脆性があるが,後の2者を高温焼戻し脆性と呼ぶ。脆性の現れない鋼種もあり,モリブデン添加で緩和される。合金鋼ではクロムを含む鋼種に顕著で,特にニッケルクロム鋼では 500~550℃と 680℃に現れる。この対策もモリブデンの添加が有効である。低温焼戻し脆性の原因としては,セメンタイトの析出説,窒化物の析出説,リン,ヒ素,アンチモン,スズなどの不純物説などがある。 450~550℃でみられる高温焼戻し脆性の原因は,不純物析出による結晶粒界の脆化とされている。

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