煉獄のなかで(読み)れんごくのなかで(その他表記)V kruge pervom

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「煉獄のなかで」の意味・わかりやすい解説

煉獄のなかで
れんごくのなかで
V kruge pervom

ソ連作家 A.ソルジェニーツィン長編小説。 1968年発表。舞台は,「祖国への裏切り」という罪で投獄された数学者,物理学者,化学者,技師,建築家,言語学者などに,「声紋法」の開発や高度の科学研究を行わせているモスクワ郊外のマーブリノ特殊収容所。そこに生きる知識人の過去と現在を交錯させつつ,スターリン時代の 49年 12月末の数日間を描く。秘められた苦悩と閉鎖された自由の実体を通して,革命後のソ連社会の矛盾と歴史の経験が描き出されている。ソ連国内で出版できず,国外で発表された。

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世界大百科事典(旧版)内の煉獄のなかでの言及

【ソルジェニーツィン】より

…この公開状は当局によって黙殺されたが,以来ソルジェニーツィンは事あるごとに公開状を発表して当局と激しく対立していった。この間,国内で発表できなかった長編《ガン病棟》(1968),《煉獄のなかで》(1968。原題《第一圏のなかで》)を海外で公刊した。…

※「煉獄のなかで」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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