化学辞典 第2版 「熱力学的温度」の解説
熱力学的温度
ネツリキガクテキオンド
thermodynamical temperature
温度を測るのに種々の温度計を用いると,その目盛は温度計に用いる物質によるので,古くは完全には一致していなかった.W. Thomson (Lord Kelvin)が熱機関と熱量とを用いて,物質の性質にはよらない温度の概念を導入したので,これを熱力学的温度(絶対温度,あるいはケルビン温度)という.可逆熱機関を未知温度Tと既知温度 T0 との間ではたらかせる場合,未知温度の熱だめから熱量 Q1 を得て,温度 T0 の熱だめに熱量 Q2 を与えているものとすれば,
T = T0(Q1/Q2)
であると定義し,これを熱力学的温度という.物理学上で温度といえばこの温度の意味であり,統計力学的な温度と同一である.この温度を測るには,気体温度計が用いられる.[別用語参照]国際実用温度目盛
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報