熱量分析(読み)ねつりょうぶんせき(その他表記)calorimetric analysis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「熱量分析」の意味・わかりやすい解説

熱量分析
ねつりょうぶんせき
calorimetric analysis

熱量測定カロリメトリー)に基づく分析法の一つ。熱量測定とは、非反応系の相変化、たとえば融解蒸発昇華などの状態変化に伴う熱の出入り混合吸着溶解などの現象に伴う温度変化、圧力変化、体積変化、さらには各種の化学反応に基づく化学的、物理的変化に伴う熱量変化を測定することである。

 熱量測定には直接法と間接法がある。直接法においては、電気的エネルギーを熱エネルギーに変換して生じる熱と、測定したときに発生した熱とを同一条件下の熱量測定装置で比較する。間接法では、熱的性質が明確に規定された状態変化を示す標準物質の熱量を試料の状態変化に伴う熱量と比較する。熱量測定のデータの精度に大きな影響を与える原因は装置の不完全性に基づく「熱漏れ」で、測定の高精度化はこの熱漏れを防止することにある。

[成澤芳男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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