精選版 日本国語大辞典 「片蓋」の意味・読み・例文・類語
かた‐ぶた【片蓋】
- 〘 名詞 〙
- ① 片方のふた。大鍋などのふたで、中央から二つに割ってある、その一方。
- ② 物事の半分の意にいう。
- [初出の実例]「位牌くさい親父ひとり、此外にやっかいに成もの壱人もかたぶたもなく」(出典:浮世草子・好色染下地(1691)一〇)
- ③ 舞台の大道具で、立木、柱などの、客席から見える面だけに丸みをつけ立体的に作ったもの。半丸物(はんまるもの)。
- [初出の実例]「この道具、好みの通りに飾りつけ、両桟敷へ片蓋(カタブタ)の燈籠を引出す」(出典:歌舞伎・貞操花鳥羽恋塚(1809)三立)
- ④ 「かたふたばしら(片蓋柱)」の略。
- ⑤ 後家をいう、大工などの隠語。
- [初出の実例]「ごけを、かたふた」(出典:新ぱん普請方おどけ替詞(1818‐30頃か))