精選版 日本国語大辞典 「大道具」の意味・読み・例文・類語
おお‐どうぐ おほダウグ【大道具】
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演劇舞台用語。劇中、舞台に飾る諸物のうち、背景、家屋、樹木、岩石など大掛りなもの。登場人物が手に持つ「小(こ)道具」に対する語。歌舞伎(かぶき)から出た語だが、今日では広く各演劇ジャンルで使われ、単に「道具」とよぶこともある。大道具の作製、飾り付け、転換などを受け持つ職業を「大道具師」「大道具方(かた)」、または「道具方」という。初期の歌舞伎は能舞台をそっくり模したような舞台で、演目も単純な一幕物ばかりだったから、大道具も簡単だったが、多幕物が発達し、俳優の演技が複雑になるにつれ、それまで舞台装置に類するものを担当していた大工職が独立し、専門の大道具師が生まれたことにより、技術と機構が著しく進歩した。大道具師の祖といわれるのは、江戸・日本橋の宮大工の子、初世長谷川(はせがわ)勘兵衛(?―1659)である。
歌舞伎では、発達につれて演技に基本的な型ができてくると、舞台の構造も一定の様式を備えるようになり、大道具でも一定の高さ、長さ、幅、色彩などをもち、何にでも活用できる「定式(じょうしき)大道具」をくふうし、劇場に常備するようになった。たとえば、舞踊劇や様式的な古典劇に使う所作(しょさ)舞台をはじめ、二重(にじゅう)、木戸(きど)、欄間(らんま)、勾欄(こうらん)、三段、障子などで、これらを組み立てて構成される屋体を定式屋体とよんでいる。
普通、大道具は、骨組をつくる「生地(きじ)」(または「大工(だいく)」)、紙や布を張る「張方(はりかた)」、塀、屋根、壁などを描く「塗方(ぬりかた)」、景色、立ち木、襖絵(ふすまえ)など絵画的な絵を描く「画師(えし)」などの職分に分業され、その流れ作業によって製作される。一般に大道具は舞台装置と同義語のように思われているが、歌舞伎では範囲が広く、回り舞台、せり、引幕なども含まれ、ツケ打ち、幕引きや、天井から雪や花などを降らせることも、大道具方の受け持ちになっている。
[松井俊諭]
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…また,爽快でスピーディなテンポで行われる見世物的演出を劇の中で駆使し,奇抜な趣向を可能にした。たとえば《東海道四谷怪談》に見る提灯抜け,戸板返し,仏壇返し,忍び車など大道具の仕掛け,そのほか鬘や小道具の仕掛けを駆使している。だが,南北の才能も,個性の強烈な実力派の役者たちがいてこそ花開いたものである。…
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