牝鶏晨す(読み)ヒンケイアシタス

デジタル大辞泉 「牝鶏晨す」の意味・読み・例文・類語

牝鶏ひんけいあした

《「書経」牧誓から》めんどりが鳴いて朝を知らせる。女が権勢を振るうたとえ。国や家が衰える前兆とされる。

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精選版 日本国語大辞典 「牝鶏晨す」の意味・読み・例文・類語

ひんけい【牝鶏】=晨(あした・あさなき)す[=時(とき)を作(つく)る・=暁(あかつき)を報(ほう)ずる]

  1. ( めんどりがおんどりに先んじて朝の時を告げる意。「書経‐牧誓」に「古人有言曰、牝鶏無晨、牝鶏之晨、惟家之索」とあるのによる ) 女が男に代わって権勢をふるい、災いを招くたとえ。ひんけいに朝せらる。
    1. [初出の実例]「史記には、牝鶏朝する時は、其里必滅といへり。めどりのときをつくるは、所の怪異にて、其さとほろぶるごとく、婦人のまつりごとをいろふ事あれば、国必みだるといへり」(出典:保元物語(1220頃か)下)

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ことわざを知る辞典 「牝鶏晨す」の解説

牝鶏晨す

めんどりがおんどりに先んじて朝の時を告げる。災いを招くとして忌まれた。また、女が男に代わって権勢を振るうたとえ。

[使用例] これでは、まさしく牝鶏晨すの図であって[花田清輝*小説平家|1965~67]

[解説] 「書経―牧誓」にあることばによるもの。

〔異形〕牝鶏時を告ぐる/牝鶏に朝せらる/牝鶏あさなきして婦女権を奪う

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