牟呂用水(読み)むろようすい

日本歴史地名大系 「牟呂用水」の解説

牟呂用水
むろようすい

新城しんしろ市から市内牛川うしかわ町に至る豊川左岸一帯は、時に洪水の被害を受けたが、常には水利の便を欠き、農作不適地が多かった。明治二〇年(一八八七)当時の賀茂かも金沢かなざわ(現宝飯郡一宮町)八名井やない(現新城市)三ヵ村では、新城市一鍬田ひとくわだで豊川を分水して、約八キロの用水を開いたが成功しなかった。その後豊川下流の牟呂地先に毛利もうり新田(のち神野新田と改称)干拓に当たり、この用水路を利用し、さらに新田まで延長する計画を立て同二一年六月までに工事を終了。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の牟呂用水の言及

【豊川用水】より

…鳳来町大野頭首工で取水して新城市日吉に至り,そこで渥美半島にのびる東幹線水路76.2kmと蒲郡市にのびる西幹線水路37.2kmに分水される。東三河地域には灌漑用水路として近世初期に着工された松原用水,1888年に完成した牟呂用水などがあったが,灌漑面積は豊橋平野の一部を占めるにすぎなかった。そのため水不足に悩む豊川下流の丘陵台地と渥美半島では豊川用水建設の願望が強く,1921年渥美郡赤羽根町の内藤寿市郎の提唱が契機となり,その第一歩が踏み出された。…

※「牟呂用水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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