朝日日本歴史人物事典 「牧野権六郎」の解説
牧野権六郎
生年:文政2.8.2(1819.9.20)
幕末の備前岡山藩士。父は薄田長兵衛,母はサヨ。牧野家に養子に入る。嘉永2(1849)年家督相続。貝太鼓奉行,江戸留守居役などを歴任。文久2(1862)年12月,支藩の鴨方藩主池田政詮に従って上洛,公武合体運動を進めた。翌3年2月徳川斉昭の9男で慶喜の弟茂政が藩主に迎えられてのち,側御用取次として補佐。慶応2(1866)年3月国事周旋御用,同3年7月上洛し後藤象二郎,辻維岳に続いて大政奉還の実現を図った。翌明治1(1868)年3月,茂政が退き政詮(章政)が藩主になってほどない同6月隠居。中央には出ず藩内行政を担当した。
(井上勲)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報