物的編成主義(読み)ぶってきへんせいしゅぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「物的編成主義」の意味・わかりやすい解説

物的編成主義
ぶってきへんせいしゅぎ

不動産登記について,権利の客体である不動産単位として登記を編成する方式。日本の不動産登記法が採用する登記簿の編成主義であり,登記記録は 1筆の土地(→)または 1個の建物ごとに作成されている(2条5号)。ほかに,不動産譲渡契約書などをそのまま綴じ込んでいく形式の年代別編成主義(証書登録制度)と,それに人名索引を備えた人的編成主義がある。物的編成主義はこれらに比べて権利関係が一目瞭然であるという利点があり,そのため日本ではドイツにならって,1899年制定の旧不動産登記法の前身である 1886年の旧登記法以来,物的編成主義を採用している。ただし,旧登記法では 2個以上の不動産を一つの用紙に記載することもあったといわれる。フランスの不動産登記制度やアメリカ合衆国各州のレコーディングシステムは年代別編成主義ないし人的編成主義にあたる。(→トレンズ・システム

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