登記記録(読み)とうききろく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「登記記録」の意味・わかりやすい解説

登記記録
とうききろく

不動産登記の表示に関する登記または権利に関する登記について,1筆の土地(→)または 1個の建物ごとに,表題部および権利部に区分して作成される電磁的記録(不動産登記法2条5号)。登記簿にはかつて紙(登記用紙)が用いられていたが,1988年の旧不動産登記法改正以降,磁気ディスク帳簿が漸次導入されたため,登記記録という名称が採用された。表題部には表示に関する登記(27~58条)が,権利部には権利に関する登記(59~118条)がそれぞれ記録される。表示に関する登記とは,不動産に関する物理的,外形的状況を記録するもので,土地については地番,地目地積など(34条1項),建物については家屋番号,種類,構造,床面積など(44条1項)が記録される。表題部は,そもそも公示目的ではなく,租税徴収目的の制度である土地台帳家屋台帳に由来する。そのため,表示に関する登記は,権利に関する登記と異なり,単独申請が可能で,共同申請主義が採用されておらず(→登記申請),登記官職権による登記(28条)や実地調査権(29条)が認められ,当事者に申請義務が課せられ(36,37,47,51条など),登記の対抗力も認められていない。権利に関する登記とは,所有権地上権地役権などの用益権質権抵当権などの担保権などに関する登記をいう(2条4号,3条)。権利部は,甲区乙区に区分される(不動産登記規則4条4項)。甲区には所有権に関する登記の登記事項が,乙区には所有権以外の権利に関する登記の登記事項が記録される。(→登記名義人

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