犬上郡兵衛(読み)いぬがみぐんべえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「犬上郡兵衛」の意味・わかりやすい解説

犬上郡兵衛
いぬがみぐんべえ
(1705―1780)

柔術、扱心(きゅうしん)流中興の祖とされる。名は永保(ながやす)。近江(おうみ)国(滋賀県)犬上郡彦根(ひこね)の人。19歳のとき家伝の体術に飽き足らず、京都に出て起倒流滝野遊軒の門に学んだ。1735年(享保20)師に同行して江戸へ下り、のちに独立して麻布狸穴(あざぶまみあな)に道場を開き扱心流を称した。52年(宝暦2)久留米(くるめ)藩有馬家に召し抱えられ(月俸25口)、名声を高めた。永保の養子郡兵衛永昌は巷説(こうせつ)有馬騒動の猫退治のモデルといわれる。

[渡邉一郎]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「犬上郡兵衛」の解説

犬上郡兵衛 いぬがみ-ぐんべえ

1706?-1772 江戸時代中期の柔術家。
宝永3年?生まれ。伯父の棚橋五兵衛に扱心(きゅうしん)流を,京都の滝野遊軒に起倒流をまなんだ。江戸にでて扱心流をおしえ,宝暦2年筑後(ちくご)(福岡県)久留米(くるめ)藩の江戸藩邸で柔術指南役をつとめる。同流中興の祖といわれた。明和9年9月16日死去。67歳?近江(おうみ)(滋賀県)出身。本姓伊藤。幼名は善八。名は永保。通称は別に郡次,左仲,郡太左衛門。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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