朝日日本歴史人物事典 「狩野養信」の解説
狩野養信
生年:寛政8.7.26(1796.8.28)
江戸後期の画家。晴川院,会心斎と号す。狩野伊川院栄信の子で,木挽町狩野家9代目。文政2(1819)年法眼に,天保5(1834)年法印となる。古絵巻類の模写などを通じて古典的なやまと絵の研鑽を積み,狩野派に新風を吹き込んで幕末の狩野派の重鎮となる。代表作「源氏物語 子の日図屏風」(遠山記念館蔵)。2度にわたって統率した江戸城障壁画制作(1839年西の丸と1845年本丸)の実態は,下絵と「公用日記」(ともに東京国立博物館蔵)によりかなり詳しく知ることができる。<参考文献>東京国立博物館編『江戸城障壁画の下絵』
(仲町啓子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報