独仏合同軍(読み)どくふつごうどうぐん(その他表記)the Franco-German corps

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「独仏合同軍」の意味・わかりやすい解説

独仏合同軍
どくふつごうどうぐん
the Franco-German corps

統合ヨーロッパ共通の軍隊「欧州軍」の核となることを目指して 1995年に創設されたドイツ,フランス2ヵ国による軍隊。 1991年 10月にフランスのミッテラン大統領とドイツのコール首相が提唱し,92年5月に合意された。 92年7月にフランスのストラスブールに合同司令部が発足している。 93年中にフランスの機甲師団とドイツの機械化旅団が参加,さらに 95年にはドイツ領に駐在している約 5000人規模の独仏合同旅団を3万 5000人規模の合同軍に拡大した。任務は9ヵ国から成る西欧同盟 WEUの枠内でヨーロッパの防衛にあたるが,ヨーロッパ以外での平和維持活動,人道援助などにも参加する方針。しかし,アメリカ,イギリス両国は合同軍設置構想発表当初から,北大西洋条約機構 NATOの機能を低下させるとして懸念を表明していた。そのため 1992年 12月の独仏定期協議では,有事の際には独仏合同軍が NATOの指揮下に入ることで合意をみた。ドイツは 93年4月にアメリカとも合同軍を発足させており,また 98年までにオランダとも合同軍を創設させる予定である。なお,1993年 11月にはベルギーが独仏合同軍に合流したほかスペイン,ルクセンブルクなども合流に前向きの姿勢を示している。

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