狭門(読み)せまきもん

精選版 日本国語大辞典 「狭門」の意味・読み・例文・類語

せまき‐もん【狭門】

[1] 〘連語
キリスト教で、天国に至る道の険しさのたとえ。「新約聖書マタイ伝」の「狭き門より入れ」による言葉。
※引照旧新約全書(1904)馬太伝「窄(セマ)き門(モン)より入(いれ)よ、沈淪(ほろび)に至る路は濶(ひろく)、その門は大なり。此より入もの多し。命に至る路は窄(せまく)その門は小し。其路を得もの少(まれ)なり」
② 競争が激しくて入学・就職などがむずかしいこと。また、そのようなはいることが非常にむずかしいところ。
※第3ブラリひょうたん(1951)〈高田保〉卒業式「『狭き門』は上級学校へ進学する道にばかりあるのではない」
[2] (狭き門) (原題La porte étroite) 小説。ジッド作。一九〇九年発表。アリサとジュリエットの姉妹が、ともに従弟ジェロームを愛しながら、ジュリエットはその愛を姉に譲り、またアリサは現世的欲求を拒んできよらかな世界への狭き門にはいろうとして、現実と理想の矛盾苦悩しつつ病死する。宗教的モラルを求める人間の苦悩と悲恋を描く。

せば‐と【狭門】

〘名〙 山間の沢の行止まり。谷の奥まったところ。みずひ。みずぼし。せき。

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