国指定史跡ガイド 「玉丘古墳群」の解説
たまおかこふんぐん【玉丘古墳群】
兵庫県加西市新家町・玉丘町・玉野町に分布する古墳群。加古川中流域において最もまとまった古墳分布を示し、全長約109mの玉丘古墳と全長約79mの小山古墳の前方後円墳2基、帆立貝形古墳3基、大型円墳3基を中核とする約30基からなる。玉丘古墳周辺では後円部西側に径25mの円墳である陪塚(ばいちょう)1号墳、東側には前方後円墳と推定される2号墳がある。さらに西方170mに径35mの円墳のクワンス塚および径21mの実盛塚古墳、北方500mに径39mの帆立貝形古墳であるマンジュウ古墳、北西1kmに径43mの円墳で竪穴(たてあな)式石室を露出する笹塚古墳、南方100mに径17mの壇塔山古墳があり、5世紀から6世紀前半の構築と推定される。玉丘古墳は1943年(昭和18)に国の史跡に指定され、1978年(昭和53)には逆(さかさ)古墳・北山古墳と陪塚1号・同2号・クワンス塚・実盛塚・マンジュウ・笹塚・壇塔山の各古墳が追加指定を受け、指定名称も玉丘古墳群に改められ、1997年(平成9)にも追加指定された。玉丘古墳は、古墳時代中期の前方後円墳で、周囲には約20mの周濠がめぐり、外堤には円筒埴輪(はにわ)が立っていたと推定されている。埋葬施設は後円部中央に長持ち形石棺材が露出。1987年(昭和62)と翌年の発掘によって、笹塚古墳とマンジュウ古墳の中間地点から前方後円墳の小山古墳が再確認され、笹塚古墳から北西600mに周濠を配した大型円墳のジャマ古墳やその他の小型円墳7基が判明した。現在、玉丘古墳群は史跡公園として整備され、公園内には玉丘古墳を中心とする6基の古墳と移築復元した1基の古墳がある。北条鉄道北条線北条町駅から徒歩約20分。