日本歴史地名大系 「玉庵跡」の解説 玉庵跡たまかずらあんあと 奈良県:桜井市朝倉・初瀬・上之郷地区初瀬村玉庵跡[現在地名]桜井市大字初瀬素盞雄(すさのお)神社参道の入口にあったが、現存しない。「源氏物語」に出る玉葛内侍が晩年ここに隠棲した庵と伝える。「西国三十三所名所図会」に「玉葛旧跡」とみえ、「堝倉神社の南石階の半に尼の庵あり、此の庭に古き五輪の石塔あり是を其しるしと云ふ。事実未詳」と記す。明治維新の際廃寺となり、本尊の銅造観音坐像は長谷(はせ)寺(現桜井市)宝蔵に、内侍の供養塔は町内上(うえ)の森(もり)の河井氏邸に移された。謡曲に「玉葛」がある。向いの旧初瀬中学校の裏山に「二本(ふたもと)の杉」と定家塔という鎌倉中期の五輪塔がある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by