生態人類学(読み)せいたいじんるいがく(その他表記)ecological anthropology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生態人類学」の意味・わかりやすい解説

生態人類学
せいたいじんるいがく
ecological anthropology

人間と自然環境との相互関係,およびこの関係と影響しあう文化的体系との相互関係を研究する人類学の一分野。霊長類生態学,文化生態学文化進化論 (新進化主義) などの発展によって形成された。主として生業活動の直接的記録と分析に集中し,狩猟採集民農耕民牧畜民など各集団と環境との相互作用追究。さらにその分析を軸として,生物学的,社会文化的諸特性を有機的に関連づけ,人間の生活・文化の多層性と,その相互浸透性を解明しようとしている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の生態人類学の言及

【自然人類学】より

…自然人類学は,ヒトの生物学的側面を明らかにすることを目標としているが,だからといってこれを人類生物学とよび生物学のなかに位置づけることはできない。最近では,文化の本質を自然環境への適応という視点からとらえようとする生態人類学,人間の社会,文化の起源を解明しようとする霊長類の生態,社会の比較研究などは,自然人類学の領域にありながらその対象を文化に求めており,先史考古学などと並んで,自然人類学と文化人類学の接点となっている。 これらの諸分野とは別に,自然人類学の知識や成果を実生活に利用しようとする分野がある。…

※「生態人類学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android