生揚げ(読み)なまあげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「生揚げ」の意味・わかりやすい解説

生揚げ
なまあげ

豆腐の加工品。豆腐を油揚げより厚く切り、水けを切って油で揚げる。油揚げを薄揚げともいうのに対し、生揚げは厚揚げともいう。長方形、三角形、正方形などの形のものがある。油揚げは二度揚げすることが多いが、生揚げは180℃くらいの油で一度揚げる。表面についている油は酸化しやすいので、油抜きしてから用いる。油抜きは、熱湯をかけるか、熱湯中に入れてさっと煮立て水切りする。こうすると油臭がとれ、料理の味がすっきり仕上がる。生揚げの栄養は、豆腐の栄養成分に油を加えたようなものである。タンパク質を豊富に含むほか、油を用いるため豆腐に比べエネルギーは高い。さっと焼いてしょうゆやダイコンおろしで食べたり、含め煮、野菜との煮合わせ、おでん種(だね)などに用いられる。

河野友美・山口米子]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の生揚げの言及

【油揚げ】より

…なまって〈あぶらげ〉,また略して〈あげ〉ともいう。豆腐をあげたものには,ほかに生揚げ(厚揚げとも),がんもどきがある。生揚げは,ふつうの豆腐を厚く切ってあげたものであるが,油揚げ用の豆腐はあげた際の膨化をよくするために〈ご〉(豆腐)の加熱をひかえるなど,ふつうの豆腐とはやや製法が異なる。…

【豆腐】より

…充てん豆腐と呼ばれるのは,絹ごしよりやや薄めの豆乳に凝固剤をまぜてプラスチック製の容器に入れ,密封したのち加熱,凝固させたもので,完全な殺菌が行われている。豆腐の二次加工品には,油揚げ,生揚げ(厚揚げ),がんもどき凍豆腐(高野豆腐),焼豆腐などがあり,豆乳からは湯葉がつくられる。【鈴木 晋一】。…

※「生揚げ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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