甫与志岳(読み)ほよしだけ

日本歴史地名大系 「甫与志岳」の解説

甫与志岳
ほよしだけ

肝属山地の北部、高山こうやま町と内之浦うちのうら町の境に位置する。標高九六七・九メートル。母養子ほようし山・母養子岳・笹尾ささお岳とも称された(「三国名勝図会」、「高山郷地名方位及人体記」高山町役場所蔵)。「三国名勝図会」によれば母養子山は内之浦郷では小串こぐし(現内之浦町北方)と高山郷和泉田いずみだ(現高山町後田)の間に位置する。山名は彦火火出見尊が玉依姫に皇子草葺不合尊を養育させた所であることに由来するという。山頂には高さ一一尋余・周り七〇尋の巨岩が立ち、その南面に深さ一丈一尺余・横一〇丈九尺余・高さ五尺余の岩窟があり、中に彦火火出見尊を祀る小祠があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の甫与志岳の言及

【肝属山地】より

…地質は大部分が古第三紀の日南層群に貫入した花コウ岩からなる。最高峰の甫与志(ほよし)岳(968m)のほか国見山,荒西(あらせ)山など標高800~900mの峰々が稜線をなしている。山地の方向にのびる谷が多く,地形は急峻で,満壮年期の形態を呈している。…

※「甫与志岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」