朝日日本歴史人物事典 「田島直之」の解説
田島直之
生年:文政3(1820)
江戸末期から明治中期にかけての林業家。通称与次衛門,号は愛林。岩国藩士田島直澄の長男。弘化4(1847)年に周防国玖珂郡田尻村の藩有林の建山総締となり,植林と柴草採取に工夫を加えて成果をあげた。以後,桑の増殖と養蚕の奨励を行って産業振興をはかり,元治1(1864)年に紙倉頭人となった。幕長戦争(長州征討)後,豊後国(大分県)木浦山で鉱山業を学び,岩国領内の鉱山を開発した。著書に『山林助農説』『稲田増獲説』などがある。山林・養蚕・紙・鉱山など殖産興業で大きな功績を残したが,その中心は林業であった。<参考文献>『岩国市史』
(小川国治)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報