田御厨(読み)ひえだのみくりや

日本歴史地名大系 「田御厨」の解説

田御厨
ひえだのみくりや

近世の稗田(明治九年に豊田村と改称)を遺称地とし、矢板市東南端のほうき川右岸に位置する豊田一帯に比定される。伊勢外宮(豊受太神宮)の御厨。東に接する佐久山さくやま御厨(現大田原市)とともに「稗田・佐久山両厨」として正安二年(一三〇〇)一〇月一四日の度会重生譲状案、乾元二年(一三〇三)三月六日の豊受太神宮神主等解(以上伊勢櫟木文書)の二通に登場する。以下の記述は両文書による。

承久二年(一二二〇)一二月に藤原朝高・頼長により稗田と「盞堵村」および佐久山が権禰宜度会常生寄進された。藤原朝高は那須与一宗高の兄弟稗田九郎幹(朝)隆と考えられる。翌三年一一月に下野国司庁宣(避状)が下され、国役・鹿島清祓使等雑事以下日光宇都宮免田などが停止された。同四年三月には後任国司も庁宣で再び認めている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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