田舎女房
いなかにょうぼう
The Country Wife
イギリスの劇作家W・ウィッチャリーの喜劇。1675年初演。イギリス王政復古期喜劇の代表作。主人公ホーナーは、性的不能者を装って世間の夫たちを油断させ、次々に好色な人妻と関係するばかりか、女の浮気を心配して、わざわざうぶな田舎娘と結婚した男までもたぶらかしてしまう。題名は田舎出身のこの女をさす。性的存在としての人間の姿を赤裸に描いた作品で、露骨な場面や台詞(せりふ)が多く、非難されることもある。うぶな女を奪われる男という設定などに、モリエールの影響がうかがわれる。
[喜志哲雄]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例