田鎖牧
たくさりのまき
[現在地名]宮古市田鎖
閉伊氏が斉藤師沢から長沢川の河川敷に至る一帯に開いた牧野。初め牛伏から花原市・老木にかけての閉伊川河原にあったが、室町時代初期に居館の移動とともに移された。やがてこの牧は有数の駿馬の産地となる。関白一条兼良の著といわれる「尺素往来」のなかに「奥州閉伊郡」より到来した「多久佐里之本牧両三疋」は首・足・尾などが非常にすぐれているとの記事がみえる。また永正九年(一五一二)の「御随身三上記」三月五日条に「青ノ御馬ニ養性ノ薬」とあり、将軍足利義稙の愛馬「たくさり青」の調馬・飼育のさまが事細かに記されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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