日本歴史地名大系 「宮古市」の解説 宮古市みやこし 面積:三三八・七四平方キロ県の東岸ほぼ中央に位置し、東は太平洋、西・南・北は下閉伊(しもへい)郡のうち新里(にいさと)村・山田(やまだ)町・田老(たろう)町・岩泉(いわいずみ)町の三町一村に囲まれる。西境には、北上高地に属する亀(かめ)ヶ森(一一一二・四メートル)、峠(とうげ)ノ神(かみ)山(一二二九・七メートル)、サンボトジ頭(がしら)(六八七・七メートル)、加呂(かろ)森(九六九・五メートル)などが連なり、おおむね西に高く東に低い。中央部を閉伊川が流れ、北部田代(たしろ)地区を田代川が東流し田老町に入り、南部津軽石(つがるいし)地区を津軽石川が北流して宮古湾に注ぐ。平地の多くはこれら河川の流域にあり、閉伊川河口には市街地が形成されている。〔原始・古代〕原始時代の遺跡は諸河川の流域および海岸台地上に濃密に分布する。箱石(はこいし)・根井沢(ねいざわ)・重茂館(おもえたて)などの遺跡からは貝殻押型文・蛇王洞2型などの縄文時代早期の尖底土器の出土をみるが、大半が前期・中期・後期・晩期に属し、とくに中期が多い。主要なものとしては田代川流域の君田(きみだ)遺跡(中期)、山口(やまぐち)川流域の山口遺跡(前期・中期)、閉伊川流域の花原市(けばらいち)遺跡(前期・中期)、老木(ろうき)遺跡(中期)、津軽石川流域の赤前(あかまえ)遺跡(中期)、大森(おおもり)遺跡(前期・中期)、重茂半島段丘上の重茂館遺跡(前期―晩期)などがある。また貝塚を伴う遺跡としては崎山(さきやま)遺跡・大付(おおつけ)遺跡・館山(たてやま)遺跡・磯鶏蝦夷森(そけいえぞもり)遺跡があり、磯鶏蝦夷森遺跡からは後期の屈葬人骨、大付遺跡からは晩期の人骨が出土した。弥生時代に属する遺跡には住居跡五棟が検出された上村(わむら)貝塚遺跡をはじめ、磯鶏遺跡・隠里(かくれさと)遺跡・近内(ちかない)遺跡などがある。土師器・須恵器を出土する古代の遺跡は非常に多く、市内に約八〇ヵ所を数える。この遺跡には標高三、四〇メートルの山中に点在するものと、湿地を前にした微高地に集落を構えるものとの二種類がある。おもなものに山口駒込(やまぐちこまごめ)遺跡・近内遺跡・堀合館(ほりあいたて)遺跡・田鎖(たくさり)遺跡・磯鶏遺跡・払川(はらいがわ)遺跡・赤前遺跡などがあり、松山(まつやま)遺跡からはほぼ完全な蕨手刀一振が出土した。古代には権郡である閉伊郡に属したとみられるが、当地域の動きがわかる史料はない。〔中世〕文治五年(一一八九)源頼朝の奥州平定後、源氏ゆかりの閉伊頼基は閉伊郡を拝領し釜石、沼田(ぬまた)(現山田町)を経て閉伊川流域に移り住んだという(「祐清私記」など)。弘安八年(一二八五)正月二三日の北条貞時袖判下文(遠野南部文書)によれば、閉伊氏の一族が分立して鎌倉幕府の御家人として屋敷地を与えられている。元亨四年(一三二四)一一月二三日の関東下知状案(宮古田鎖文書)に閉伊三郎左衛門尉光員の遺領として笠間(かさま)(山口の旧称)・鍬(くわ)ヶ崎(さき)・呂木(ろうき)(老木)・閉河(へのかわ)(根市の旧称)・多久佐利(たくさり)・小山田(こやまだ)・閉崎(へのさき)(重茂の旧称)・赤前とあり、当時の閉伊氏の所領は現在の市域の大部分を占めることが知れる。 宮古市みやこし 2005年6月6日:宮古市と下閉伊郡新里村・田老町が合併⇒【新里村】岩手県:下閉伊郡⇒【田老町】岩手県:下閉伊郡⇒【宮古市】岩手県 宮古市みやこし 2010年1月1日:宮古市が下閉伊郡川井村を編入⇒【宮古市】[変更地名]岩手県⇒【川井村】岩手県:下閉伊郡 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宮古市」の意味・わかりやすい解説 宮古〔市〕みやこ 岩手県東部,太平洋岸の宮古湾に臨む市。本州の最東端に位置する。1941年宮古町と山口村,千徳村,磯鶏村の 3村が合体して市制。1955年崎山村,津軽石村,重茂村,花輪村の 4村を編入。2005年田老町,新里村と合体。2010年川井村を編入。市名の由来は諸説あるが,古代から使われていた。早くから港として開かれ,江戸時代は長崎俵物(干しあわび,いりこ,コンブなど)の移出港として繁栄,1951年重要港湾に指定された。1934年国鉄山田線が開通。魚市場のほか,冷凍加工や缶詰の工場などがあり,漁業関係施設が完備していたが 2011年,東北地方太平洋沖地震に伴う津波により大きな被害を受けた。肥料や合板,木材,食品,金属,電機工場なども立地。山間部では南部桐を産し,桐下駄,家具などの製造が行なわれる。三陸復興国立公園の観光基地で浄土ヶ浜,魹ヶ崎(本州最東端),国の天然記念物である崎山の潮吹穴,崎山の蝋燭岩,日出島クロコシジロウミツバメ繁殖地などの景勝地がある。市域西部の早池峰山を中心とした一帯は早池峰国定公園に指定され,山腹の「早池峰山のアカエゾマツ自生南限地」は国の天然記念物。さらに,花巻市,遠野市にもまたがる「早池峰山および薬師岳の高山帯・森林植物群落」は国の特別天然記念物。崎山貝塚は国の史跡,黒森神楽は国の重要無形民俗文化財に指定。JR山田線,岩泉線が通り,三陸鉄道北リアス線が久慈市と結ぶ。東部を国道45号線,中部を 340号線が通り,盛岡市に通じる国道106号線が市域を横断している。面積 1259.15km2。人口 5万0369(2020)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by