由比ガ浜南遺跡(読み)ゆいがはまみなみいせき

日本歴史地名大系 「由比ガ浜南遺跡」の解説

由比ガ浜南遺跡
ゆいがはまみなみいせき

[現在地名]鎌倉市由比ガ浜四丁目・長谷二丁目

鎌倉市の市街地の最も南側にあり、相模湾の海岸線に沿った東西約一キロメートル、南北約三〇〇メートルを範囲とする遺跡。遺跡はなめり川および若宮大路の西側一帯に広がる砂丘上に立地している。北側には由比ガ浜中世集団墓地遺跡が所在する。

これまでに実施された代表的な発掘調査としては、由比ガ浜四丁目一一〇一番二地点における発掘調査がある。この調査は平成七年(一九九五)から同九年にかけて海浜公園地下駐車場の建設にともない、約九七〇〇平方メートルを対象として実施された。

調査の結果、発見された遺構群は層位ごとに大きく三期にわたって展開しており、一三世紀前半の潟状遺構や小規模な掘立柱建物跡など、埋立て前の海岸部の遺構群(第五面遺構群)、一三世紀中頃から一四世紀中頃にかけての大型の屋敷や方形竪穴によって構成される生活遺構群(第四面遺構群)、そして一四世紀中頃から一五世紀にかけての埋葬遺構群(第三面遺構群)に区分することができる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報