甲安金(読み)こうやすきん

精選版 日本国語大辞典 「甲安金」の意味・読み・例文・類語

こうやす‐きんカフやす‥【甲安金】

  1. 〘 名詞 〙 甲州金一種宝永・正徳年間(一七〇四‐一六)に鋳造されたもの。一分、二朱、一朱、朱中と額面を異にするものがある。品位千分の六〇〇の甲下安金(こうしたやすきん)、品位五六〇の甲中安金(こうなかやすきん)、品位八四〇の甲安今吹金(こうやすいまふききん)の三種に分けられ、下安金は裏面に「甲」の極印が中央に、「安」の極印が下部に打たれており、中安金は「甲」の極印が上部、「安」の極印が中央にある。今吹金は「甲」の極印がなく、「安」の極印が中央に打たれている。〔金銀図録(1810)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の甲安金の言及

【甲州金】より

…(1)古甲金(ここうきん) 元禄(1704)以前の甲州金の総称で,竹流金,判金,碁石金,太鼓判金等があり,表は無文のものが多く品位が高かった。(2)甲安金(こうやすきん) 1707年(宝永4)から14年(正徳4)に甲斐に封ぜられた柳沢吉保が,元禄小判改悪にならって改鋳したもの。(3)甲安今吹(こうやすいまふき) 1714年に吉保の子吉里が正徳小判に準じて改鋳したもの。…

※「甲安金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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