甲状腺の手術

六訂版 家庭医学大全科 「甲状腺の手術」の解説

甲状腺の手術
(内分泌系とビタミンの病気)

 甲状腺の手術が必要になる病気の主なものは、甲状腺がんバセドウ病です。

 甲状腺がんといっても、日本では乳頭(にゅうとう)がんあるいは濾胞(ろほう)がんという悪性度の低いがんがほとんどなので、腫瘍(しゅよう)の部分を含む側葉の切除あるいは全摘に準じた摘出を行って、周囲のリンパ節郭清(かくせい)する手術が行われます。一方、バセドウ病では甲状腺のサイズを縮小させることが目的なので、一葉は全摘して一葉は約3g残すか、両葉ともに2g程度残します。

 いずれも基本的には安全な手術ですが、反回(はんかい)神経を傷つけると嗄声(させい)(しわがれた声)になり、また副甲状腺を取ってしまうとカルシウムが低下して、テタニーという腕や手などに起こるけいれん発作などの合併症が生じます。

 また、首の中央に手術の跡が残るので、最近はそれを避けるために頸部(けいぶ)小切開法や内視鏡下手術などの体への負担が少ない手術も行われています。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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