男乃宇刀神社(読み)おのうとじんじや

日本歴史地名大系 「男乃宇刀神社」の解説

男乃宇刀神社
おのうとじんじや

[現在地名]和泉市仏並町

槙尾まきお川支流の父鬼ちちおに川沿いに鎮座する。「延喜式」神名帳の和泉郡に「男乃宇刀ヲノウトノ神社二座」とある。このうちの一座が当社で五瀬命・五十瓊敷入彦命を祀る。旧郷社。社伝によると、神武天皇東征時、兄の五瀬命が流矢に負傷し軍を返した時に横山彦命がこれを迎え行宮を営んだという。その後、元慶年間(八七七―八八五)の初めに五瀬命とこの地を領していた五十瓊敷入彦命を勧請、また文禄年中(一五九二―九六)には牛頭天王を勧請したが、明治五年(一八七二)祭神を五瀬命に改めたという(大阪府誌)。なお、坪井つぼい町には「解気さめき井」、当社北方には「血の井」とよばれる井戸があり、それぞれ五瀬命が傷を洗った井戸と伝える。他の一座は天野あまの街道沿いの下宮しものみや町にあった。祭神は神武天皇・速進雄大神(牛頭天王)で旧村社。社伝によると、当社と同じく元慶年中に創建されたといい、神武天皇を勧請してこれを下宮、当社を上宮とした。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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