番場の忠太郎(読み)ばんばの ちゅうたろう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「番場の忠太郎」の解説

番場の忠太郎 ばんばの-ちゅうたろう

長谷川伸(しん)の戯曲「瞼(まぶた)の母」の主人公
近江(おうみ)(滋賀県)番場生まれのやくざ。5歳のとき生きわかれた母をさがしに旅にでる。江戸柳橋の料理屋水熊の女将(おかみ)おはまが母とわかるが,おはまは名のらず,忠太郎は母への思いを胸にふたたび旅だつ。昭和6年の初演以来,舞台,映画,テレビなどで数おおく上演

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の番場の忠太郎の言及

【瞼の母】より

…【矢野 誠一】
[映画]
 最初の映画化は原作が発表された翌年の1931年に作られた無声映画で,監督はこれ以後〈股旅映画の名匠〉と評されるに至る稲垣浩。片岡千恵蔵による番場の忠太郎,常盤操子のおはま(実母)で,またおはまの娘役として当時14歳の山田五十鈴が出演。映画のラストは実母と再会を果たすハッピーエンドの〈人情時代劇〉になっており,稲垣浩の証言によれば,原作者の長谷川伸と話し合って,当時の暗い世相をかんがみて親子が名のり合う結末に変えたという(長谷川伸の戯曲そのものにも同じハッピーエンド版がある)。…

※「番場の忠太郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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