デジタル大辞泉
「痴付く」の意味・読み・例文・類語
おこ‐づ・く〔をこ‐〕【▽痴付く/×烏×滸付く】
[動カ四]
1 愚かしく見える。
「腰かがまりて―・きてなんありし」〈今昔・二八・二六〉
2 ばかにする。
「男どもこれを聞きて―・き嘲りて」〈今昔・一〇・三六〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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おこ‐づ・くをこ‥【痴付】
- [ 1 ] 〘 自動詞 カ行四段活用 〙 ばかみたいに見える。みっともなく見える。
- [初出の実例]「すかい給ふを、心は得ながら、鼻のわたりおこづきて語りなす」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
- [ 2 ] 〘 他動詞 カ行四段活用 〙 ばかにする。おこがる。
- [初出の実例]「男共此を聞て嗚呼(をこ)づき嘲(あざけり)て」(出典:今昔物語集(1120頃か)一〇)
痴付くの補助注記
( 1 )[ 一 ]の「源氏物語‐帚木」の例文は、河内本、湖月抄本に「をごめきて」とある。文意からは、得意になって語る、誇らかに調子づいて語る意味ともとれる。
( 2 )誘うという意味の「おこつる」や、おもに近世になって見られる「勢いづく」の意の「おこづく」との関連も考えられ、「馬鹿にする」と解釈できるところは、「調子づく、勢いづく」という意味にも解釈できる文脈が多く、次項の「おこづく」と同語源かとも思われる。→「おこ(痴)」の語誌
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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