発音剤(読み)はつおんざい

改訂新版 世界大百科事典 「発音剤」の意味・わかりやすい解説

発音剤 (はつおんざい)

音を出すために使われる薬剤。爆発音と笛音を出すものがある。爆発音剤には3種類ある。アルミニウム剤アルミニウム塩素酸カリウムまたは過塩素酸カリウムを主とする混合物であり,その爆発速度は1000~2000m/sである。あまり薬量が少ないと音を出さなくなるが,一般に花火の〈雷〉に使われている。赤爆剤は鶏冠石AsSと塩素酸カリウムの混合物で,非常に鋭敏な薬剤である。おもに玩具花火に使われている。赤リン剤は赤リン,硫黄と塩素酸カリウムの混合物である。赤爆剤よりも鋭敏で,ごく少量でも爆音を発する。玩具花火のピストルの玉はこの薬剤でつくられる。笛音は,上に空部を残して一方をふさいだ筒の底に詰めた特殊な薬剤が点火されて出す燃焼音である。実用されている笛音剤には3種類ある。ピクリン酸カリウムと硝酸カリウム,塩素酸カリウムと没食子酸,過塩素酸カリウムと安息香酸カリウムのそれぞれ混合物である。いずれも鋭敏な薬である。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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