朝日日本歴史人物事典 「白井織部」の解説
白井織部
生年:文政3.1.3(1820.2.16)
幕末水戸藩の家老。父は之胤,母は門奈直章の娘,水戸生まれ。名は久胤。天保6(1835)年家督を継ぎ,嘉永4(1851)年から執政に進み,徳川斉昭に従って,藩政を掌握し,安政の藩政改革を推進する。安政5(1858)年家老となるが,水戸藩に下った攘夷の勅諚をめぐり,それを朝廷へ返納すべきことを主張した。万延1(1860)年伊豆守に叙任。文久1(1861)年,加増されて800石となる。翌年,尊攘激派の台頭により,尊攘鎮派に属した織部は謹慎させられた。さらに元治1(1864)年市川三左衛門ら諸生派が勢力をにぎると,官位を奪われたうえ投獄され,水戸で獄死した。<参考文献>『贈位諸賢伝』上
(長谷川成一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報