日本大百科全書(ニッポニカ) 「白洋淀」の意味・わかりやすい解説
白洋淀
はくようてん / パイヤンティエン
中国、河北省中部にある沼沢。海河の支流、大清(だいせい)河の中流に位置する。白陽淀、西淀とも称する。白洋淀、蓮花(れんか)淀など大小92余の沼沢の総称で、最大面積約300平方キロメートル、常時は200平方キロメートル余。海河流域の南西部の支流を集め、水量を調整して本流へ流下させる機能を果たす。季節的な水量の変動が大きく、増水期と渇水期の水位差は10メートル以上に達し、それに伴う水域面積の変化も大きい。沿岸や淀内の中州状の島は干拓により耕地化され、一部は水田となっている。桂花魚やエビなどの魚貝類や、アシ、ヨシなどの水辺植物、カモ、ガンなどの野鳥も多く、河北の「魚米の郷」とよばれる。
[秋山元秀]