白浜郷(読み)しらはまごう

日本歴史地名大系 「白浜郷」の解説

白浜郷
しらはまごう

和名抄」所載の郷で、東急本では之良波万と訓を付す。天平九年(七三七)の紀年銘のある正倉院宝物調庸布銘(正倉院宝物銘文集成)に安房国印とともに「平群郡□□(白浜カ)郷清(岑カ)里大弓部得万呂調布壱端 長四丈二尺」とみえ、郡郷里制下の当郷に「清(岑カ)里」があり、大弓部得万呂が調布を貢納していることが知られる。「日本地理志料」では現館山市正木まさき近辺をもと白浜郷と称したという「安房国誌」の説を採用して、平久里へぐり川下流右岸の館山市正木・かめはら川名かわな船形ふなかたなどの地に比定し、「大日本地名辞書」では穂田ほた郷を割いたとして現鋸南きよなん吉浜よしはま付近に比定している。


白浜郷
しらはまごう

「和名抄」所載の郷で、東急本では之良波万と訓を付す。平城京(二条大路大溝)跡出土木簡に「安房郡白浜郷長屋里戸主□□□」「(神カ)亀四年閏九月」「安房国安房郡白□□」と記された二点があり、郡郷里制下の白浜郷に長屋里があった。安房国が上総国に再び併合された時期の平城宮跡出土木簡に「上総国安房郡白浜郷戸主日下部床万呂戸白髪部嶋輸鰒調陸斤参拾条 天平十七年十月」とあり、郷戸主とその戸口に日下部・白髪部の部姓をもつ者がおり、調鰒を貢納していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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