精選版 日本国語大辞典 「調布」の意味・読み・例文・類語
ちょう‐ふ テウ‥【調布】
たつくり【調布】
つき‐ぬの【調布】
つき‐の‐ぬの【調布】
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東京都南部の市。1955年調布町と神代(じんだい)町が合体,市制。人口22万3593(2010)。地名は古代,帰化人が織った麻の布を調として朝廷に献じたことに由来する。市域の大半は武蔵野台地上にあり,南部は多摩川沿いの低地である。現市街地は江戸時代に甲州街道沿いに設けられた街村状の宿場町,国領,下布田,上布田,下石原,上石原の布田五宿を中心に形成された。明治に入って1889年に調布町が置かれ,1913年に京王線が開通して新宿と結ばれたため,近郊住宅地として発展しはじめた。市内には第2次世界大戦をはさんで電気機械,化学,ゴム,食品などの工場が立地するほか,戦後は住宅団地の進出もめざましい。京王線は調布駅で相模原線が分かれ,市のほぼ中央を中央自動車道が通り,調布インターチェンジが開設されている。多摩川沿いには映画撮影所,京王閣競輪場,京王百花苑(現,京王フローラルガーデン・アンジェ)があり,市北部の台地末端の湧水地点一帯は樹木が多く,都立神代植物公園や深大寺は行楽客でにぎわう。都営の調布飛行場があり,東京都の離島と航空路で結ぶ。
執筆者:井内 昇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
古代日本における令(りょう)制下の租税の一種である「調(ちょう、つき)」として納めた手織りの布のこと。「つき(の)ぬの」「手作(たづくり)」とも称する。成人男子の人別に課し、徴した絹、綾絹(あやぎぬ)、絁(あしぎぬ)、綿、布は中央政府の官用にあてた。また転じて、粗末な衣料をいう場合がある。なお、東京都下の地名「調布」は、多摩川の水にさらして織った布を調の料に納付したところからおこった名であり、岡山の名菓「調布」もこれになぞらえたもの。
[兼築信行]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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