皆福地下ダム(読み)みなふくちかだむ

日本歴史地名大系 「皆福地下ダム」の解説

皆福地下ダム
みなふくちかだむ

[現在地名]城辺町新城

城辺町にある地下ダム群の一つ。夏場、極端な水不足になる宮古島の農業用水の確保のために建設されたもので、島の地層的な特徴を見事に活用している。宮古島の地層は泥岩を主とする島尻層群が基盤をなし、その上に琉球石灰岩が堆積している。島尻層群は水を通しにくく、琉球石灰岩は逆に隙間が多く、水を通しやすいので、琉球石灰岩中に堰を設けて水を貯めようというもの。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の皆福地下ダムの言及

【城辺[町]】より

…また,肉用牛を中心とした畜産も行われている。島には地表水はなく,上水道はじめすべての水源を地下水に依存しているが,不足ぎみの農業用水確保のため,1979年琉球石灰岩の地下水盆を利用した皆福地下ダムが完成し,世界初の本格的地下ダムとして期待されている。海岸線はほとんどが急崖からなる。…

【宮古島】より

…現在,島内の4市町村で宮古島上水道企業団(1965年前身の宮古島水道組合設立,72年本土復帰にともない改称)を組織し,沖縄でも有数の水量を誇る北部海岸近くの白川田湧水を水源として各家庭に水が送られている。また,土層が保水力に乏しく,しばしば干ばつに見舞われてきたため,1979年に農業用水の確保を目的として,世界初の本格的地下ダムである皆福(みなふく)地下ダム(総貯水量120万m3)が城辺町に完成した。古くからの代表的湧泉はほとんど海岸沿いに分布し,これに対応して伝統的な古い村落も海岸沿いにある。…

※「皆福地下ダム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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