日本大百科全書(ニッポニカ) 「皇清経解」の意味・わかりやすい解説
皇清経解
こうせいけいかい
全1400巻。清朝経学(しんちょうけいがく)の成果を集成した叢刻(そうこく)。両広総督として広東(カントン)に赴任した阮元(げんげん)が、学海堂を建てて学者の養成に努めつつ編纂(へんさん)に着手し、雲貴総督に転任したあとは夏修恕(かしゅうじょ)や門人厳杰(げんけつ)らに指示を送って、1829年(道光(どうこう)9)に完成した。漢唐訓詁(くんこ)の学が『十三経注疏(じゅうさんぎょうちゅうそ)』に結集されたあと、宋元(そうげん)の経解は清初に『通志堂経解』に集録されているのを承(う)けて、清初以来の学者の著述について経書注釈の体をなすものを主として75家182種を集めている。1857年(咸豊7)太平軍の兵火に版木の10分の6が焼けたが、60年に補刻され、「庚申(こうしん)補刊」本とよばれて通行する。1888年(光緒14)に王先謙(おうせんけん)による『皇清経解続編』全1430巻が刊行されたが、さらに続編として『南菁(なんせい)書院叢書』がある。
[近藤光男]