日本歴史地名大系 「盛宿」の解説 盛宿さかりしゆく 岩手県:大船渡市田茂山村盛宿[現在地名]大船渡市盛町田茂山(たもやま)村東部、町(まち)・柿の木沢(かきのきざわ)・舘下(たてした)・宇津野沢(うつのさわ)一帯を占める浜街道の宿で、水沢宿へ向かう盛街道の起点でもある。寛永一〇年(一六三三)幕府巡見使は、世田米(せたまい)(現気仙郡住田町)から有住(ありす)(現同上)を経て「盛」へ着き一泊、翌日浜街道をたどり今泉(いまいずみ)(現陸前高田市)へ向かった。世田米からは四五里、今泉までは四〇里となっている(「石母田安頼書状」伊達家文書)。田茂山村のうち十八里(さかり)宿とも記される(正保国絵図)。町並はほぼ南北に続く。元禄一一年(一六九八)の「気仙郡古記」には田茂山町とあり、家数二七、町の長さ二町、市日は一〇日・二〇日・晦日と記す。他宿への距離は承応四年(一六五五)今泉村検断三浦与惣右衛門が受領した駄賃代定(今泉村安永風土記)に、同村から盛町まで四里一二町三八間、駄賃一二六文、うち一七文は坂のまま、二二文は沓代とある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報