目並ぶ(読み)メナラブ

デジタル大辞泉 「目並ぶ」の意味・読み・例文・類語

め‐なら・ぶ【目並ぶ】

[動バ下二]多くの人の目で見る。一説に、並べてよく見くらべる。
「西の市にただひとり出でて―・べず買ひてし絹のあきじこりかも」〈・一二六四〉
[動バ四]語義未詳。親しくする、仲がよいなどの意か。一説に、目の前に並ぶ。
「花がたみ―・ぶ人のあまたあれば忘られぬらむかずならぬ身は」〈古今・恋五〉

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精選版 日本国語大辞典 「目並ぶ」の意味・読み・例文・類語

め‐なら・ぶ【目並】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 バ下二段活用 〙 多くの人の目を経る。一説に、並べてよく見くらべる。
    1. [初出の実例]「西の市にただ独り出でて眼不並(めならべず)買ひてし絹の商(あき)じこりかも」(出典万葉集(8C後)七・一二六四)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 バ四段活用 〙 語義未詳。目が並ぶの意から、親しくする、仲が良いなどの意か。一説に、目の前に並ぶ。
    1. [初出の実例]「花がたみめならぶ人のあまたあれば忘られぬらむ数ならぬ身は〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・七五四)

目並ぶの補助注記

[ 二 ]の「古今集」の例は、見くらべる、大勢の人を見るなど、古来さまざまな解釈が行なわれているが、契沖が「古今余材抄」に引用している「菅家文草‐四・冬夜有感簡藤司馬」の「更有何人比目看(更に何人か目を比(なら)べて看ること有らむ)」という例を参考にすると、二人の目が並ぶ、つまり、ともに見る、の意から、親しくする、仲が良い、などの意になるかと考えられる。

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