目打(読み)めうち

精選版 日本国語大辞典 「目打」の意味・読み・例文・類語

め‐うち【目打】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 重ねた紙に刺し通し、穴をあけるのに用いる先のとがった円錐状の小さな鉄棒に柄のついたもの。下駄鼻緒をすげるのにも用いる。千枚通し。
    1. [初出の実例]「甘露寺来談、鴨沓筒革之損補談合、目打印両種被借之間遣之」(出典:言継卿記‐永祿七年(1564)三月二八日)
  3. 洋裁・手芸用具の錐(きり)。布に穴をあけたり、刺繍(ししゅう)の糸をさばいたり、また、折り返した角を整えたりする時に用いる。目打ち錐。
  4. 切手・印紙などの切り目につけるために穴を一列に連続してあけること。また、そのあけた穴。
  5. (うなぎ)泥鰌(どじょう)などをさく時、目の所に錐を打ちつけること。また、その錐。
  6. 製本で、とじ穴をあけること。また、それに用いる鉄製の錐。
  7. 活版印刷で平鉛版を木台に取り付ける時、鉛版釘の頭を木台に沈ませるために用いる鏨(たがね)
  8. 双六(すごろく)の賽(さい)を振ること。また、双六をして遊ぶこと。
    1. [初出の実例]「降雨、侍従中納言来勧一盞、祗候男女有双六目打事、近々処々如此云々」(出典:後法興院記‐長享二年(1488)四月二日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の目打の言及

【郵便切手】より

…創案者はチャルマーズJames Chalmers(1782‐1853)であったといわれるが,これを実施したのはR.ヒルである。このときの最初の切手は〈ペニー・ブラックPenny Black〉といわれるもので,黒色でビクトリア女王の肖像を入れた1ペニーの切手であったが,当時はまだ切手を切り離すための目打(めうち)(四方にあけた穴)はなく,一つ一つはさみで切って使用した。このときまで郵便料金は受取人から受け取るか,または現金で郵便局で差し出すときに支払ったが,不便なのであらかじめ切手を買っておいて,いつでも,どこでも封筒にはれば出せるようにした。…

※「目打」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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