化学辞典 第2版 「相互溶解度」の解説
相互溶解度
ソウゴヨウカイド
mutual solubility
A,B 2液が互いに部分的に溶解し合って,溶解濃度の違う2相になり(例:フェノール-水,アニリン-ヘキサン),それぞれの相ではほかの成分の飽和溶液になっているとき,これら両者を共役溶液という.共役溶液ではほかの成分に対する溶解度を相互溶解度といい,一般に温度の上昇(まれに低下)とともに大となり,ある一定温度以上(または以下)ではすべての割合で溶け合うようになる.この温度を共溶温度または共溶点という.フェノールと水の場合,共溶温度は65.9 ℃ で,そのときの液の組成は水66%,フェノール34% である.共溶温度を求めるには,種々の割合で2液をまぜ,かきまぜながら温度を上昇させたとき,混合物が1相になり,透明となったときの温度を測定する.この温度を縦軸に,液の混合割合(組成)を横軸にとって目盛り,得られた曲線の最高点を求める.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報