化学辞典 第2版 「相当理論段高さ」の解説
相当理論段高さ
ソウトウリロンダンタカサ
height equivalent to a theoretical plate
略称H.E.T.P.気-液相間,液-液相間など異相間の物質移動を充填塔で行う場合に,理想的な段塔(理想塔)の一段と同一の効果をもつ実際の充填塔の高さをいう.蒸留,ガス吸収,液-液抽出など異相間の物質移動を充填塔で行わせる際に,実際の装置の高さをどの程度に設計すればよいかを知るための方法である.この方法は,最初,蒸留について用いられたが,ガス吸収,液-液抽出でも同様にあてはまるので,一般にすべての物質移動の場合に適用できる.なお,液-液抽出の場合は,とくにH.E.T.S.(S.はstageの略)という用語も用いられる.充填塔では,理論段数にH.E.T.P.を乗じれば実際の高さを求めることができる.理論段数は平衡関係と操作線とが決まると算出できるが,H.E.T.P.は装置構造,充填物,流体の種類,操作条件などの諸因子と複雑に関係している.移動単位高さ(H.T.U.)とH.E.T.P.との関係は,平衡線と操作線の傾きの比を用いて表すことができる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報