化学辞典 第2版 「操作線」の解説
操作線
ソウサセン
operating line
抽出,吸収,蒸留などのように,異相間で物質移動が起こって組成が変化する場合に,装置内での組成(濃度),温度,エンタルピーなどの変化を表す式を,それぞれの相の組成を両軸にとって図示して得られる曲線のこと.ある範囲を直線として近似できる場合が多い.しかし,調湿などの操作では,異相間の熱交換によるエンタルピーの変化が重要なため,この場合には熱収支の式を図示して用いる.操作線は,平衡曲線とともに装置や操作の設計には不可欠のものである.精留塔では,とくに濃縮部の操作線を濃縮線,回収部の操作線を回収線とよび,さらに両者を一括して操作線とよぶ.どちらも,厳密には直線にはならないが,近似的に直線とみなした設計法(マケイブ-チーレ(Macabe-Thiele)法)がある.操作線は物質移動操作の段数の決定などに便利なものである.操作線と平衡曲線とを同一の図に描くとき,両者の差が物質移動の推進力を示す.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報