相溶性(読み)ソウヨウセイ

デジタル大辞泉 「相溶性」の意味・読み・例文・類語

そうよう‐せい〔サウヨウ‐〕【相溶性】

複数物質を混合した場合、分離せずに混ざり合う性質。特に高分子可塑剤を混合した場合の馴染みやすさを指す。⇔非相溶性

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「相溶性」の解説

相溶性
ソウヨウセイ
compatibility

2種類の液体を混合すると,互いに溶解して一様な溶液になる場合と,2相に分離する場合とがある.このように,2種類の液体の相互の溶解のしやすさを相溶性という.相互に溶解するには,2種類の液体分子間の反発力が個々の液体分子間の反発力より小さいか,2種類の液体分子間に特有の引力がはたらく場合がある.たとえば,水-フェノールの溶液の温度を下げていくと,ある温度(上限臨界共溶温度)(upper critical solution temperature:UCST)以下になると2相に分離し,アミン類-水の溶液の温度を上げていくと,ある温度(下限臨界共溶温度)(lower critical solution temperature:LCST)以上になると2相に分離する.この2相の液体間にはたらく相互作用エネルギーの尺度として相互作用因子がある.この相互作用因子の温度係数から相溶性が議論できる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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