真金葺・真金吹(読み)まかねふく

精選版 日本国語大辞典 「真金葺・真金吹」の意味・読み・例文・類語

まかね‐ふく【真金葺・真金吹】

[1] (「真金」は黄金。「葺(ふ)く」は、鍍金(めっき)する意)
① 「丹生(にふ)」にかかる。「丹」は辰砂(硫化水銀)を含む岩や水銀そのものをいい、その岩を産する地名を「丹生」という。
万葉(8C後)一四・三五六〇「麻可禰布久(マカネフク)丹生(にふ)の真朱(まそほ)の色に出て言はなくのみそ吾が恋ふらくは」
② 地名「吉備」にかかる。かかり方の詳細は不明。→補注。
古今(905‐914)神あそびの歌・一〇八二「まかねふく吉備の中山帯にせる細谷川の音のさやけさ〈よみ人しらず〉」
[2] 雅楽曲名。催馬楽(さいばら)、呂の歌の中にあったが曲は絶えた。「楽家録‐六」に「まかねふくきびのなかやまおびにせる」の歌い出しで所収。
[補注]((一)②について) 「まかね」は黄金の意で、讚詞か。または、黄金色キビ(黍)から、「吉備」にかかるか。→「まがね(真金)」の語誌

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