精選版 日本国語大辞典 「矢根」の意味・読み・例文・類語
や‐の‐ね【矢根】
[1] ⇒や(矢)の根
[2] (矢の根)
[一] 歌舞伎脚本。時代物。一幕。享保一四年(一七二九)江戸中村座で、「扇恵方曾我(すえひろえほうそが)」中の一場面として二世市川団十郎が初演。のち、七世団十郎によって歌舞伎十八番の一つに加えられた。曾我五郎が矢の根をといだあとうたたねをし、夢の中で兄十郎が和田の酒盛で危難にあっていることを知り、それを救いに工藤の館に向かう。原拠は幸若や土佐節の浄瑠璃「和田酒盛」。鏃(やのね)(=矢の根)五郎。
[二] 大薩摩。六世杵屋喜三郎作曲。(一)で、初代大薩摩主膳太夫が出語りし、舞台の団十郎と掛合いで問答をする古風なもので、大薩摩節の代表曲。
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