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矢の根 やのね

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

矢の根
やのね

歌舞伎狂言。時代物。1幕。歌舞伎十八番の一つ。2世市川団十郎の創演で,享保 14 (1729) 年『扇恵方曾我 (すえひろえほうそが) 』の1番目として上演され,大当りをとった。原拠は幸若舞曲および土佐浄瑠璃の『和田酒盛』。その後中絶するが9世団十郎によって復活され,今日の形式となった。矢の根を磨いていた曾我五郎が夢で兄十郎の危難を告げられ,工藤祐経の館へはせ向うという筋で,荒事の様式美と伴奏の大薩摩がよく調和し,おおらかで夢幻的な一幕となっている。

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デジタル大辞泉の解説

や‐の‐ね【矢の根】

鏃(やじり)1」に同じ。

やのね【矢の根】[歌舞伎]

歌舞伎十八番の一。時代物。享保14年(1729)江戸中村座初春狂言「扇恵方曽我(すえひろえほうそが)」の中の一幕として2世市川団十郎が初演。曽我五郎が矢の根を研いでまどろむうち、夢の中で兄十郎の危急を知り、工藤の館へはせ向かう。

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世界大百科事典 第2版の解説

やのね【矢の根】

歌舞伎狂言。時代物。1幕。歌舞伎十八番の一つ。2世市川団十郎が創演。1729年(享保14)正月江戸中村座《扇恵方曾我(すえひろえほうそが)》の一場面として初演,以来58年(宝暦8)江戸市村座《恋染隅田川(こいそめすみだがわ)》の一世一代まで生涯に4回《矢の根》を演じ家の芸として定着させた。内容は故郷の曾我の古井に帰っていた曾我五郎時致(団十郎)が,亭の内で,武人のたしなみとして矢の根をみがくうち寝てしまい,夢の中で兄十郎の危難を知り,馬に乗ってかけつけるというただそれだけのもの。

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大辞林 第三版の解説

やのね【矢の根】

矢じり。 「胸板首に-を打込/浄瑠璃・平家女護島」

やのね【矢の根】

歌舞伎十八番の一。時代物。1729年江戸中村座の「扇恵方曽我すえひろえほうそが」で二世市川団十郎が初演。曽我の五郎が矢の根を研いだのち、夢に兄十郎の危機を知り、工藤の館にはせ向かう。おおどかな荒事の一幕劇。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

矢の根
やのね

歌舞伎(かぶき)劇。一幕。「歌舞伎十八番」の一つ。2世市川団十郎が1729年(享保14)1月、江戸・市村座で初演した『扇恵方曽我(すえひろえほうそが)』の一節が洗練されて後世に伝わったもの。父の仇(あだ)を討とうと一心に矢の根を研いでいた曽我五郎が、うたた寝の夢のなかで兄十郎の危急を知り、通りがかりの馬士(まご)の馬を奪って工藤の館(やかた)へ向かうという筋で、大薩摩(おおざつま)を伴奏に生粋(きっすい)の荒事(あらごと)演出を見せる。原拠は幸若(こうわか)舞曲『和田酒宴(わだのさかもり)』で、団十郎がひいきの研(とぎ)師の家に伝わる正月の研物始めの儀式を取り入れたといい、初演の舞台が大評判で、座元は興行の利益によって矢の根蔵(ぐら)と称する蔵を建てたという。大薩摩の太夫(たゆう)に扮(ふん)した役者が五郎の役者と舞台で正月の挨拶(あいさつ)を交わすなど、初春の祝儀的な性格が濃い演目。[松井俊諭]
『郡司正勝校注『日本古典文学大系98 歌舞伎十八番集』(1965・岩波書店) ▽服部幸雄編著『歌舞伎オン・ステージ10 勧進帳/矢の根他』(1985・白水社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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