知井宮多聞院遺跡(読み)ちいみやたもんいんいせき

日本歴史地名大系 「知井宮多聞院遺跡」の解説

知井宮多聞院遺跡
ちいみやたもんいんいせき

[現在地名]出雲市知井宮町

出雲平野南西部の多聞院境内にある弥生時代から古墳時代の貝塚遺跡。昭和二五年(一九五〇)に調査され、続いて同三三年に発掘が行われた。神戸かんど川左岸の自然堤防上にあり、かつての神門かんど水海の岸辺に位置していたと推定されている。同三三年の発掘調査は貝塚を対象に、貝層の堆積順序土器変化の相関関係の把握を目的として実施された。その結果、貝層は四層に区分され、これに貝層下の土層も加えた五層が順々に堆積したことが明らかになった。各層に包含された土器を手掛りに四つの型式が設定され、それらが層の堆積順に従って弥生時代中期の知井宮I式から後期の知井宮II式・知井宮III式を経て古墳時代前期の知井宮IV式に至る順序で移り変るとされた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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