デジタル大辞泉 「石の火」の意味・読み・例文・類語 いし‐の‐ひ【石の火】 1 火打ち石をこすって出す火。また、瞬間的なもの、はかないもののたとえ。「―よりもまだはかないは人の命でござる」〈虎寛狂・布施無経〉2 石から出ると考えられた火。「春のわらびに雪消え、―に氷解く」〈宇津保・春日詣〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「石の火」の意味・読み・例文・類語 いし【石】 の 火(ひ) ① 火打ち石を打って出す火。きり火。[初出の実例]「鍔を火打の石の火の」(出典:浄瑠璃・生玉心中(1715か)下)② 石が熱せられて発すると考えられた火。[初出の実例]「春のわらびに雪きえ、いしのひにこほりとく」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣)③ ( またたく間に消えるところから ) きわめて短い瞬間、または、人生のはかないこと、無常であることのたとえ。[初出の実例]「石の火にこの身をよせて世の中の常ならずなほ思ひ知るかな〈嘉陽門院越前〉」(出典:千五百番歌合(1202‐03頃)一四四三番) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例